宅地建物取引業免許申請
宅建業(宅地建物取引業)とは...
一般的によく言われている不動産業者とは異なります。不動産業には、「宅建業」「賃貸業」「賃貸管理業」の3つが含まれます。
宅建業とは、
宅地・建物の売買や宅地・建物の売買や貸借の媒介を行う業者のことを言います。賃貸業(つまり大家さんをすること)や賃貸管理業(家賃回収や建物の維持管理をする業者)とは異なります。
免許の必要性
宅建業を営むには、宅地建物取引業法第3条に基づき、免許が必要になります。
無免許で営業することは宅地建物取引業法第12条で禁じられ、違反すると懲役や罰金に処せられます。
免許の要件
- 1.事務所
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・ 独立性(*1)が保たれていることが必要です。
・ 2つ以上の都道府県にわたり、事務所がある場合、都道府県知事ではなく大臣の免許を受けなければなりません。
(*1) 独立性とは、
[1] 1つの部屋を共同で使用している場合は、他の事務所の部分を通らずに、その事務所に直接出入りができなければなりません。つまり、他の事務所と区分するために、一定の高さのある固定式のパーテーションなどにより仕切る必要があります。
[2] 区分所有建物の場合、管理規約等で事務所としての使用が認められている必要があります。
また、住居部分と事務所部分が区別され、[1]と同様の独立性が保たれている必要があります。
- 2.令2条の2で定める使用人(政令使用人)
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・ 支店長や営業所長など契約を終結する権限を有する従事者のことで、支店や営業所など1店舗に1人置かなければなりません。
・ 本店(代表取締役が常勤している事務所)には必要ありません。
- 3.専任取引主任者
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・ 1つの事務所に最低1名、業務に従事する者5名につき1名以上の割合で、専任(*2)の取引主任者を置かなければなりません。
(*2) 専任とは、
[1] 常勤性=その事務所に常勤していること
[2] 専従性=宅建業の業務に専ら従事する状態にあること
の2つの要件を満たしていることを指します。
[Check!]
専任の取引主任者に欠員が生じた場合は、2週間以内に補充しなければ、業務停止処分を受けることがあります。欠員が生じてすぐ代わりの専任取引主任者が見つかるとは限らないので、その場合に備えて、宅建業者は常に人数を確保しておく必要があります。
- 4.宅建業の業務に従事する者
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・ 宅建業の業務に従事する者の人数は、専任取引主任者の設置の人数に関係します。
・ 宅建業の業務に従事する者については、個人業者本人や法人業者の代表者、直接営業に従事する者は必ず含まれます。
・ 宅建業のみを営んでいる(専業)業者の場合、常勤役員の全てが含まれるほか、庶務・経理などの一般管理部門に従事する者も含まれます。(監査役は宅建業の業務に従事する者にはなれません)
・ 継続的な雇用関係にある者であれば、パートタイマーなど形態を問わず、宅地建物の取引に直接関係する業務に従事する者は含まれます。
・ 他に兼業を営んでいる業者の場合、宅建業と兼業業務との業務量を斟酌して判断します。
具体的には、宅建業を主としている者は業務に従事する者に含まれます。また、庶務・経理などの一般管理部門の者も兼業の業務比率に応じて、業務に従事する者に含まれます。例:建設業と宅建業を1:2の割合で営んでいて、会社に経理が9人いた場合、宅建業に従事する者は9人×3分の2で、6人となります。
- 5.従業者
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・ 従業者は、「宅建業の業務に従事する者」のほか、一時的に事務の補助を行う者や非常勤役員なども含まれます。
・ 宅建業者は「従業者証明書」を発行して従業者に携帯させ、従業者名簿を事務所ごとに整備しなければなりません。
[Check!]
従業者は、宅建業の業務に従事する者より範囲が広いです。
- 6.事務所以外の案内所
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事務所以外の案内所等(*4)で政令の定める業務を行う場所がある場合、宅建業法第50条第2項の規定に基づき標識の掲示が必要となり、業務を開始する10日前までに届出書を提出しなければなりません。(専任取引主任者を1名以上配置する必要があります)
ただし、不特定の宅地建物での一般業務はこの対象となりませんので、その場合は「従たる事務所」として変更届の提出が必要となります。
なお、単なる「案内・広告・宣伝」のみの業務については届出を要しません。
(*4)事務所以外の案内所等とは、
[1] 継続的に業務を行うことができる施設
[2] 一団の宅地建物の分譲について、案内所を設置して行う場合は、その案内所
[3] 他の宅建業者が行う一団の宅地建物の分譲を代理又は媒介のため、
案内所を設置して行う場合は、その案内所
[4] 業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場合は、その催し場所
のことを言います。