技術者の配置規制について
技術者の配置義務
下記のとおり、建設業許可を受けた建設業者は、すべての工事現場ごとに一定の資格を有した技術者を配置しなければなりません。(建設業法第26条第1項)
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下請契約の工事請負金額(下請契約が2以上あるときはその総額)が4,000万円(建築一式は6,000万円)以上の工事 ※法改正により平成28年6月1日から額範囲変更 |
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公共性のある工事(*1)で、かつ、受注した工事請負金額が3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の工事 ※法改正により平成28年6月1日から額範囲変更 |
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公共性のある工事(*1)で、かつ、受注した工事請負金額が3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の工事 ※法改正により平成28年6月1日から額範囲変更 |
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専任の 監理技術者 |
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監理技術者 |
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専任の 主任技術者 |
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その他すべての工事(許可を受けていない軽微な工事を含む) |
(*1) 公共性のある工事とは、下記のようなものをいいます。
- 国、地方公共団体発注の工作物
- 鉄道、索道、道路、上下水道などの公共性のある施設
- 電気事業用施設、ガス事業用施設
- 学校、図書館、寺院、工場、病院、デパート、事務所、ホテル、共同住宅など公衆または多数の人間が利用する施設
つまり、個人住宅以外の工事についてはほとんどのものが該当します。
(建設業法第26条第1〜3項、第3条第1項第2号、建設業施行令第2条、第27条)
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関連情報
配置技術者の種類
配置技術者には下記の2つがあります。
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主任技術者 |
監理技術者 |
資格要件 |
- 1級○○施工管理技士
- 1級建築士
- 1級建設機械施工技士
- 「技術士法」に定める資格
- 大臣特別認定者
- 2級○○施工管理技士
- 2級建築士、木造建築士
- 2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)
- 第一種電気工事士、第二種電気工事士
- 電気通信主任技術者
- 甲種消防設備士、乙種消防設備士
- 「職業能力開発促進法」に定める資格
- 実務経験者
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- 1級○○施工管理技士
- 1級建築士
- 1級建設機械施工技士
- 「技術士法」に定める資格
- 大臣特別認定者
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配置技術者の義務
主任技術者および監理技術者は工事現場における建設工事を適正に実施するため、下記の職務を誠実に行わなければなりません。
- 建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理
- 当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督
なお、工事の施工に従事する者は、主任技術者または監理技術者が職務として行う指導について従う義務があります。(建設業法第26条の3第2項)
配置技術者の要件
現場に配置する技術者は直接かつ恒常的な雇用関係にあることが要件とされていますので、他の会社からの在籍出向社員(社会保険等を出向元に残したままの社員)や派遣社員は主任技術者または監理技術者として現場に配置することはできません。
監理技術者は下請させた特定建設業者が配置します。また、下請した建設業者もそれぞれ主任技術者を配置する必要があります。
配置技術者の専任性
専任とは、
その工期が終了するまでの間、専任しなければならないことをいいます。つまり、現場を離れることは認められませんので、他の工事と掛け持ちして配置することはできません。掛け持ちしていることは適正な技術力レベルを欠いたままで施工が行われているとみなされ、
建設業法に基づく監督処分や指名停止措置および刑事罰を受ける場合がありますので、充分注意してください。
なお、許可上の専任技術者は営業所に常勤していなければなりませんので、専任性を求められる工事には配置できません。
特例として許可上の専任技術者も下記の要件をすべて満たす場合には、当該工事の専任を要しない主任技術者または監理技術者となることができます。
- 当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
- 工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあること
- 所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係であること
- 当該工事の専任を要しない主任技術者または監理技術者であること
配置技術者の交代
主任技術者および監理技術者の途中交代は原則禁止です。ただし、例外として次のような場合には認められています。
- 技術者本人が死亡、傷病または退職等をした場合
- 受注者の責によらない理由により工事中止または工事内容の大幅な変更が発生して工期が延長された場合
- 橋梁、ポンプ、ゲート等の工場製作を含む工事であって、工場から現地へ工事の現場が移行する場合
- ダム、トンネル等の大規模な工事で、一つの契約工期が多年に及ぶ場合
いずれの場合であっても、発注者と発注者から直接建設工事を請け負った建設業者との協議により、交替の時期は工程上一定の区切りと認められる時点とするほか、交替前後における監理技術者等の技術力が同等以上に確保されるとともに、工事の規模、難易度等に応じ一定期間重複して工事現場に設置するなどの措置をとることにより、工事の継続性、品質確保等に支障がないと認められることが必要です。
罰則
主任技術者または監理技術者を置かなかった場合、100万円以下の罰金に処されます。(建設業法第52条第1項)
また、前述しているとおり、専任の主任技術者および専任の監理技術者は、他の工事と掛け持ちした場合、適正な技術力レベルを欠いたままで施工が行われているとみなされ、建設業法に基づく監督処分や指名停止措置および刑事罰を受ける場合があります。
最終更新日:2016.05.26